諫山裕の仕事部屋〈blog〉

猫とSFと科学とMacintoshと写真とアートが好きなら……

グラフィックデザイン、写真、2D&3Dアートを生業とする諫山裕のブログ。タイトルバックの画像(写真 or CGイラスト)は、私の作品。

タイトルバックは、私の鉱物コレクションより、紅鉛鉱(Crocoite)〈オーストラリア産〉。鉛を含むこの鉱物から新元素クロムが発見された。
コメント、トラックバックは承認制です。

ネットが誕生する以前はケージ(籠)だった頃の話

 ネットの昔話の記事なのだが……

ネット上にまだ「草が生えていなかった」頃の話 - ITmedia PC USER
 感情を表現するために文末に付けるものを、この記事では「感情記号」と呼ぶことにしたい。現在、ネットで一番使われている感情記号は「wwww」だろう。俗に「草を生やす」といわれる表現である。

 しかし私がネットを始めた1999年頃は、感情記号といえば(笑)だった。私はネットを始めてすぐの頃にこれを覚えた。チャットや掲示板で多くの人が使っていたからだ。例えば、相手に「いや知らないですよ」と言おうとして、ちょっと表現がキツいかなと思ったらこれを付ける。

 いや知らないですよ(笑)

 「草が生えていなかった」頃の話……とのことだが、「感情記号といえば(笑)だった」というのに違和感を感じた。
 この記事を書いた人、パソコン通信を知らないな……と思った。
 ライターの上田氏は「1984年生まれ」か、じゃ、知らないのは無理もない。

 パソコン通信の全盛期は、「1980年代後半から1990年代」なので、上田氏が生まれて間もない頃だ。
 現在のネットは世界中に広がっている広大な環境だが、パソコン通信の時代はごく限られた通信環境だったので、たとえるならケージ(籠)だったといえる。
 パソコン通信を提供する会社ごとに、それぞれのコミュニティが成立してたため、相互に情報が行き交うことはなかった。
 つまり、閉じられた世界。クローズドなネットだった。
 パソコン環境はMS-DOSが主流だったから、テキストベースの味気ないインターフェースだ。
 Windows 3.0が1990年、Windows 95が1995年、Windows XPが2001年に登場したが、直感的に操作できるWYSIWYGによって、パソコンが一般に大きく普及したのはWindows XP以降だろう。XP以前のWindowsは、MS-DOSの名残が強く、とても扱いづらかった。

 パソコン通信の時代から、上田氏のいう「感情記号」はあった。
 (笑)も使われていたが、多かったのは (^^) だね。いわゆるAA(アスキーアート)による「顔文字」。
 現在のATOKには、「顔文字パレット」として顔文字辞書がついているが、これの原型はパソコン通信時代に生まれた。
 日本語の顔文字は、英語圏の顔文字 :-) を和訳したようなものだ。英語の顔文字は、90度回転させると顔に見えるようになっている。ここに文化の違いがあり、英語の感情表現は「目」ではなく「口」が中心だからだ。日本人は、感情を「目」を中心に表現するため、口は省略し目だけの (^^) になっている。


 最後に(爆)という表現について書いておきたい。これは現在では絶滅した表現である。(笑)はギリギリ生き延びているが、(爆)は本当に見なくなった。

 この表現のニュアンスを説明するのは難しい。私は「自爆」の「爆」だと解釈していた。

 え? それ、違うと思うが……
 (爆)は「爆笑」の爆として使っていた。パソコン通信時代やネット草創期には、略語・俗語について方言とでもいえるような、コミュニティごとのローカルルールがあったので、私の周りでは……という注釈付きの話ではある。
 そのほか、(汗)(涙)(怒)なんてのもあった。
 手を挙げる表現として、「その提案に賛成///」とかね。

 草あるいは芝といわれる「wwww」は、「warai」とローマ字入力するときの「w」から来ているというのが定説になっている。

wの由来・起源 - タネタン:あらゆる元ネタ・由来を集めるサイト
そこから「w」へと変化したのは1996年に発売されたオンラインゲーム『DIABLO(ディアブロ)』だとされている。このゲームはオンラインゲームということでチャットが可能であるが、海外のゲームということで日本語は使用することができなかった。そこで「(笑)」を表現するための方法として「(warai)」とローマ字で表記していたのだ。

しかし、「(warai)」というのは非常に打つのが面倒であるということから、次第に省略され「(w)」と打ち込まれるようになった。

 起源はゲームのようだが、ネットに広まったのは2chだという。
 その芝も、現在は廃れつつある。
 スマホでは、文字通りの絵文字やLINEのスタンプなど、あえてテキストを使う理由がなくなっているからだ。私も、スマホでのメールは絵文字を使うし、(笑)(^^)はPCでのキーボード入力のときだけになっている。うちの妻は、ときどき絵文字だけのメールを送ってくることがあり、意味がわからないことがあったりもする。

 ネットは進化しているようで、じつのところ、本質的な部分はあまり変わっていない。
 流行りのSNSは、画像をつけたり、動画をつけたりもできるが、主たるメッセージはテキストだ。その見せ方が装飾的になっているだけで、伝えたいことは入力方式の違いはあっても、カチカチ、ピコピコとテキストを入力している。
 なぜか、テキストに変換するという手間のかかることを誰もがやっている。
 その理由はなにかといえば、情報をそぎ落とせるからではないかと思う。音声や映像だと、本人の感情や本心が透けて見えることもある。しかし、テキストだと書かれていることでしか意図は伝わらない。ときにそれが誤解の元になったりもするが、伝えたくない情報をメッセージに載せないことはできる。
 テキストメッセージは、ある種の仮面の役割をしている。
 それゆえ、効率が悪い伝達手段であるにもかかわらず、いまだに主流になっているのだと思う。

台風9号、千葉県館山市付近に上陸

 関東に直撃の台風9号。
 上陸したらしい。

強い台風9号 千葉県館山市付近に上陸 あす23日にかけて北日本へ進む予想 (ウェザーマップ) - Yahoo!ニュース
 強い勢力の台風9号は、22日午後0時半頃、千葉県館山市付近に上陸したとみられる。
強い台風9号 千葉県館山市付近に上陸 あす23日にかけて北日本へ進む予想

 台風はこのあとさらに北上を続け、あす23日には北日本へ進む見込み。台風が他の地域を通らず、関東に直接上陸したのは、2005年の台風11号以来11年ぶりとなる。

 私の勤務先は渋谷区にあるが、今現在、雨は小降りになっている。
 どうやら、台風の目の中に入っているようだ。

気象庁 | 高解像度降水ナウキャスト
2016年08月22日13時10分(高解像度降水ナウキャスト)

 これほどはっきりと、台風の目がわかる状態での上陸は珍しい気がする。さすがに青空は見えないが、雲がかかっていてもけっこう明るくなっていて、雲の流れるスピードが速い。
 この様子だと、あと30分もすると、土砂降りが再開しそうだ。


ストックフォト業界…そんなに甘くないよ

 前エントリ『「暗黒光子(ダークフォトン)」は存在するか?』の壮大な宇宙の話から、いきなりリアルな日常の話に舞い降りるが……(^_^)

 私もやっているストックフォトの話。
 アマチュア写真家でも写真を売って稼げるか?……についての記事。
 写真誌のアサヒカメラの記事なので、どんなものかと思ったら、中身の薄い内容だった。

実録ルポ! 私が撮った写真、いくらで「売れ」ますか?(前編) 〈アサヒカメラ〉|dot.ドット 朝日新聞出版
 いまこのストックフォト業界で、インターネットを利用して急速に売り上げを伸ばしている会社がある。それが今回紹介するPIXTA(ピクスタ)だ。同社はカメラマンやイラストレーターらを「クリエイター」と呼び、その作品を「デジタル素材」として販売している。2005年に会社がスタートし、昨年9月に東京証券取引所マザーズに上場、登録クリエイター数は19万人以上にのぼる。

(中略)

「稼げる人が増えてきて、うちのストックフォトだけで生活している人もいます。月100万円以上稼ぐ人がちらほら、トップクリエイターは売り上げ3千万円です」

 上記記事の続編が以下。

ネットで写真を売ってみた! 売れるヒントは「ニュース」「季節感」 〈アサヒカメラ〉|dot.ドット 朝日新聞出版
ピクスタの統計によると、最初の1枚が売れ出すのは平均で92枚登録してからとか。

(中略)

 ちなみに1枚売れての収入は、クリエイターの実績や販売方法によって異なるが、初めての人は通常は販売代金の22 .0%である。私の最初の1枚は安く売っても構わない販売方式を選んだので、収入は27円だった。

 いやはや、苦笑してしまう。
 7〜8年前の記事かと思ったよ。なぜ、いまさらこんな記事を書いているのだろう?
 「月100万円以上稼ぐ人がちらほら」とあるが、数人である。20万3644人(2016/08/19現在)のうちの数人だ。写真仲間にPIXTAで人気ランキング上位の人がいるが、その人ですら月100万円以上稼ぐ数人の中には入っていない。
 こういう記事の書き方だと、頑張れば月100万円以上稼ぐことが、誰にでもできるような錯覚を起こしてしまう。

 冷静になって考えてみてくれ。
 記者が試してみたという実績は、1点売れて27円の売上げ。

100万円÷27円≒3万7037枚

 月に3万7千枚以上売れなければいけない。同じ写真がリピート購入されることもあるが、さすがに1枚の写真が3万回もリピートされることはない。1枚の写真が1回の購入だと仮定すると、少なくとも3万7千枚以上以上の写真を登録していないと、不可能な数字だということ。
 写真のジャンルにも左右されるが、風景や静物などの人物以外の写真の場合、登録写真点数のうち、売れるのは多くても約1割。たいていは1割以下で、1桁の数%が通例。それが「最初の1枚が売れ出すのは平均で92枚登録してから」の根拠にもなっている。
 つまり、3万7千枚売れるには、37万枚の登録写真が必要だという計算になる。ひとりで37万枚の写真を撮って登録することは、事実上不可能である(^_^)。記者の神田氏は、辿り着くことのできない夢を語っているのに等しいということだ。

 では、月に100万円稼いでるクリエイターはどうやっているのか?
 条件がいくつかある。
(1)登録写真点数が桁違いに多い。
(2)人気のクリエイターであること。
(3)人物写真が多いこと。
(4)リピート購入が多いこと。
(5)PIXTAで長く活動していること。
 だいたいこの5つくらいは必須。
 写真のジャンルとして、モデルを使った人物写真は需要が高い。
 風景や静物は使われるシーンが限定されるため、それほど売れるジャンルではない。
 前にも書いたが、売れない写真の代表は「花」である。花は一定の需要はあるものの、どこのストックフォトでも数が圧倒的に多いジャンルなので、競合他者が多くて売れないのだ。
 売上ランキングが上位になるほど、配分されるコミッション率も高くなる。その分、手取りも多くなるが、上位になるのがまず難関。
 また、料金の安い定額制に写真を提供しないこともひとつの戦略だ。定額制は、売れる可能性は高まるが、売れても二束三文なので収益を上げることには貢献しない。稼ぎたいのなら、安売りはしないことだ。

 じつのところ、PIXTAが定額制を始める前の方が、クリエイターの収益は高かった。
 低価格路線に舵を切ってからは、古参のクリエイターは収益が下がり、退会した人も多かった。ストックフォト業界のデフレは、いまだ進行中なのだ。それは海外ストックフォトに対抗するための策ではあったが、規模、知名度、写真のクオリティで大きな差のある国内ストックフォトでは太刀打ちできない。

 関連して、TAGSTOCKがサービスを終了すると告知していた。
 2010年4月に始まったTAGSTOCKだったが、6年あまりで撤退することになる。
 TAGSTOCKは売れ筋写真よりも、作家性の出た芸術的な写真をプッシュするという試みをしていたと思うのだが、やはり売れないことには商業的に成り立たないということだろう。

 ストックフォトのデフレが止まらないので、現在の状況が続くことは、業界としてますます苦境になっていくことを示唆している。
 プロのフォトグラファーとして、ストックフォトに写真を提供している人もこの影響を受けるため、収益の悪化は仕事としての写真が苦しくなることにもつながる。
 ストックフォト業界の先行きはあまり明るくない。
 生き残るのは、海外勢の巨人だけ……ということもありうる。
 なかなか厳しい現実である。

「暗黒光子(ダークフォトン)」は存在するか?

 久々にゾクゾクする科学ニュースだ。
 まるで、アシモフクラークが書きそうなハードSFみたいな話だが、宇宙の謎は解明されたものより未解明のものの方が多い。

物理の常識を覆す「第5の力」|WIRED.jp
物理学の教科書に書かれている物質の最小単位である素粒子に働く自然の4つの力は、「基本相互作用」と呼ばれている。ハンガリーの研究者チームは、科学誌「Nature」でベリリウム同位体の放射性崩壊における予想外の現象を観察し、それは第5の基本相互作用の存在を示唆している結果かもしれないという。

(中略)

考えられる説明としては、他の粒子や他のフォースキャリア(力を媒介する粒子)の存在が関係してくる。そのなかには、いわゆる「暗黒光子(ダークフォトン)」もある。電磁気相互作用を仲介する従来の光子の対照となる仮説上の物質である。

 読んでいて、鳥肌が立った(^_^)b
 宇宙ファン、科学ファンにとっては、好奇心をおおいにそそられるニュースだ。
 この研究が、真正のものだと証明され、「暗黒光子(ダークフォトン)」あるいはそれに類するものが実証されれば、ノーベル賞はもちろんのこと、これまでの物理法則が書き換えられるような大発見になる。
 これは、とてつもなくスゴイことだ!

 宇宙における文明のレベルを想定した、「カルダシェフの定義」によれば……

宇宙文明 - Wikipedia
カルダシェフの定義

1964年、ソ連の天文学者、ニコライ・S・カルダシェフは、宇宙に存在しうる技術文明のタイプを、文明の進展度によって以下の三種類に分類する「文明の三段階進化説」を提唱した[1]。これは、技術文明の水準を、一つの文明が使用するエネルギーレベルによって区分けした、いわば文明の量的分類である。エネルギー量の桁数によって、文明のレベルが分かれる。

タイプ喫弧
惑星規模のエネルギー(10^19エルグ/秒)

タイプ曲弧
恒星規模のエネルギー(10^33エルグ/秒)

タイプ景弧
銀河規模のエネルギー(10^44エルグ/秒)

儀進弧世蓮一つの惑星上で利用できる程度の規模のエネルギーを使いこなしている文明である。地球に文明を営んでいる人類は21世紀初頭現在、この段階にも達しておらず、0型文明と呼ばれることもある。

 地球の人類が、今後も自滅することなく文明規模を発展させていけるとすれば、儀進弧世謀達するには、既存の科学知識と技術で可能かもしれないが、況拭↓祁燭悗反焚修垢襪砲蓮宇宙の真理を解明しないと不可能な領域だろう。

 ちなみに、アシモフの「銀河帝国の興亡」は祁進弧世寮こΔ鯢舛い討い襦
銀河帝国の興亡 1 (創元推理文庫 604-1)
アイザック・アシモフ
東京創元社
1968-03

▲旧版。私はこっちで読んだ。


▲こちらは新版。

 ついでいえば、「Star Trek」の世界は況拭◆Star Wars」の世界は祁燭砲覆襦ただ、作品中の科学技術の描写に古めかしいものもあるが、0型文明である現在からの想像なので無理もない。Star Trekは24世紀を想定しているが、況燭砲泙巴したのは先人であるバルカン星人のお陰でもある。自力で況燭砲泙巴するのに、あと300年で可能かどうかは怪しい。
 人類の進化の過程になぞらえるなら、現在の文明レベルはアウストラロピテクスみたいなもので、200万年後のホモ・サピエンスを想像できないのと同じ。

 況燭鯢饌罎箸靴榛酩覆箸靴討蓮▲薀蝓次Ε法璽凜鵑痢リングワールドシリーズ』が名作だ。
リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))
ラリイ・ニーヴン
早川書房
1985-06


 もはや古典だが、ストーリーがどうこうよりも、そのスケールの大きさに圧倒されたものだ。
 「ガンダム Gのレコンギスタ」も、いちおうリングワールド的な舞台を設定していた作品なのだが、小道具的な扱いで設定を生かし切れていなかった。
 銀河系内に況進弧世存在するとすれば、ダイソン球として恒星のエネルギーを最大限活用していると考えられている。SETI(地球外知的生命体探査)では、観測対象として赤外線放射をしているであろうダイソン球の存在も想定しているという。

 SFでは当たり前の、光速の壁を超えるためのワープ航法などは、現在知り得ている科学知識ではほぼ不可能とされている。思考実験としての仮想理論はあるが、既知の物理法則では解くことができない問題にぶつかる。
 第5の相互作用が存在し、「暗黒光子(ダークフォトン)」や「プロトフォビックXボソン」が発見され、さらに物理法則が書き換えられることになれば、宇宙の真理に近づくことができる。第5の相互作用だけでなく、未知の物理法則は存在するはずで、それらが解明されればワープ航法は現実的な未来になってくる。
 「第5の力」の発見の兆しは、未来を大きく変える、ささやかな前進といえるかもしれない。

オリンピックのプールが緑色になった理由の推測

 オリンピックの話題が連日にぎわっている。
 サッカーはグループリーグ敗退してしまったが、初戦に負けるとだめだろうとは思っていた。過去、W杯・オリンピックで、日本は初戦に負けてグループリーグを突破したことはないし、世界的に見ても突破した例は少ないからだ。
 むしろ、三連敗しなかったことは褒めてあげたい。
関連記事→【サッカー】日本選手のスピードが遅いのはなぜか

 それはさておき、「オリンピックのプールはなぜ突然「緑色」になったのか?」という不思議なニュースがあった。それについての記事なのだが、真面目な考証かと思ったらジョークだった(笑)。

オリンピックのプールはなぜ突然「緑色」になったのか?|WIRED.jp
オリンピック飛び込み競技が3日目を迎えた8月9日、飛び込みプールの水が緑色に変わっていた。オリンピック委員会は「原因は調査中」と語っている。ありうる理由を考えてみた。

 ここに出ているジョークは、あまり面白くない。

 水質検査をして、特に有害なものは検出されなかったとのことだが、考えられる理由を真面目に考えてみる。
 色が変わったということは、その色の原因となる物質が含まれていることを意味する。
 プールの水を「水溶液」と考えると、純粋な水だけでなく、消毒用のカルキ……つまり、塩素も含まれているはずだ。カルキは、正式名称を「次亜塩素酸カルシウム」というが、水酸化カルシウムに塩素を吸収させたもの。
 化学反応を起こすとすると、水の性質や塩素がなにかに作用して、緑色の元となる元素またはイオンを水溶液中に放出したと考えられる。
 カルキが含まれていると、水溶液はpH5〜9で弱酸性〜中性〜弱アルカリ性になる。ただし、これは日本での話。
 日本は軟水だが、海外では硬水であることが多い。
 調べてみると、ブラジルの「サンパウロやリオなどの下の方は硬度0〜50」というデータがあった。つまり、軟水。この数値は、東京都の水の硬度(約65)よりも低い。軟水は、水道管などの金属を腐食しやすいという。
 ブラジルの水のpHがどのくらいかの資料は見つけられなかったが、ミネラルウォーターとして出回っているブラジル産の水は、pH7以下の弱酸性のものが多いようだ。

 ブラジルの水は、軟水で弱酸性の水……ということが推定できる。

 水溶液を緑色にしてしまう元素として考えられるのは、鉄と銅だ。色をつける元素はほかにもあるが、比較的無害でプール施設にありそうなものとしては、鉄製品と銅製品だと思う。水道管が鉄、機械部品の一部に鉄や銅も使われる。
 それらが弱酸性の水によって溶け出したのではないか?
 銅は通常青色に発色するが、塩素と結びつくと塩化銅となり緑色になる。
 鉄は弱酸性に漬けておくと、2価の鉄イオンとして溶け出す。このとき、水溶液を緑色にする。
 緑色の正体が藻などの生物由来でないとすると、鉄イオンの可能性が高い。片方のプールだけというのが不思議ではあるが、緑色になった方の水の酸性度が高かったか、使われている鉄の品質が悪く、腐食しやすいものであったのかもしれない。

 いずれにしても、謎は解明して欲しいね。

【追記】2016/08/19

 諸説出ていた原因だが……

ミスも笑顔で解消!? 国歌間違え・緑のプール… リオ五輪:朝日新聞デジタル
原因について組織委は、契約業者が誤って過酸化水素を入れたためと説明。その結果、塩素の作用が弱まり、藻が大量発生したという。

 藻だったなら、顕微鏡で見ればすぐに判明しただろうに……という疑問も。
 過酸化水素は消毒液としても使われるが、なぜプールに投入したんだ?(^_^)
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